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アトリエ

1998 年に創業した「アトリエ セヴリナ・ラルティーグ」は、花飾り制作の卓越した伝統技術を継承しています。ポエティックで創作に適したノルマンディー地方の田舎にあるアトリエで、セヴリナ・ラルティーグは、シルクの花の制作に必要な多くの工程を、すべて手作業で行っています。伝統技術を守りながら、根気よく、素材の準備からカッティング、染色を行います。 熟練した巧みな指使いから、花弁が一枚ずつ形を成し、調和よく組み合わせられ美しい花となり、優美さと繊細さによってその一つ一つが類ない魅力を放つ作品に仕上がります。

カッティング下処理を施したシルク、パーケールやバチスト を、異なる厚みの綴りに丹念に折りたたみます。カッティングは、鉄槌 やスワンネックプレスを用いて行います。

染色カッティングされた布地は白やクリーム、シャンパン色をしています。それぞれの 布地の色調は、どんな花を作るかを考えてから決めます。カッティングした各布地を、水彩画のように塗っていきます。様々な色が互いに溶け合い、繊細なニュアンスが生まれます。

道具アトリエ にある道具は、その美しさと希少性から、まさに宝物と言えます。それぞれの道具に、語るべき歴史があり、例えばこの写真の鉄槌は、50年間も花嫁のオレンジ花冠の制作に使用されていたものです。

葉飾り葉 の型付けは、いささか魔法的です。染色し軸を入れた平らな布に、型付け機を使ってバラ、ジャスミン、カメリアなどそれぞれの花の葉に特有の繊細な葉脈を刻み込み、立体感を生み出します。

めしべ花 の中央部は、コットン糸のめしべで構成され、その先端には多彩な小さな玉がつけられています。フランスでは唯一、ル・ムーラン・ド・ラ・フルリストリー・アルタミン(le Moulin de la Fleuristerie Artamin’)社がこの制作を続けています。

原材料一つの花を作るには、無数の材料が必要です。絹糸、真鍮(しんちゅう)、ロウ製の新芽、ヴェネチアンパール、真珠層 、レースなど。全てが大切に作業家具の中に保管されています。

加工全 ての花は、先端の異なる小さな工具を用いて手作業で加工していきます。例えば、玉こて を用いて花弁をくぼませて形を固定させたり、ペンチを使って縁取りをします。的確な動作が、花に軽快さを与えます。

花弁花弁 は、縁取り、ひだ、小さな穴、丸みといった形状によって、また、中心から外に向かい徐々に大きくなるサイズによって、そして豊富な色彩により、その一枚ずつが異なり、同じものはありません。一本のバラに、花弁100枚を必要とすることもあります。

インスピレーション最初 のアイディアを具体化していきます。白色の生地から、下処理、裁断、染色、形作りと組立ての工程を経て、セヴィリナ・ラルティグが想像し、デザインした花が出来上がります。

仕上げ花と葉の茎の部分は、「天使の髪の毛」と呼ばれる極細の絹糸で装飾します。作業台にきちんと並べられたバラや葉、小花が、冠やブローチ、イヤリングなどに仕上がります。

最終調整組立ての最終段階は、絹糸を用いた伝統的な方法で行い、丸一日かかることもあります。的確なバランスに達して、ようやく仕上がりとなります。